保健婦，助産婦，看護婦に關する新制度の解説

此の度保健婦，助産婦及び看護婦に關する新しい制度が，昭和22年7月3日政令第124號を以て公布されました。此の新制度が我が國の看護の業界に齎らす功獻は空前の出來ごとであらうと思ひます。將しく之は業界の革命でありまして同時に又醫療の業界の一大進歩を來したものであるともいへるのであります。從來約60年の歴史をもつ我が國看護の業務が偏に醫業の追從物として，隷屬の形をとつてゐたが，今囘目醒めて看護の業務は醫業と相俟つて醫療を行ふ即ち完全なる協力體として其の獨立性を認められたことは新制度に於ける數項の革新の中の最も輝やかしいものであらうと思ひます。更に本令が定めた新しい制度の目標とするところを取り上げてみますと，次の事柄等であります。

　（1）訓練された看護婦によつて，正しい看護を傷病者にほどこすこと。看護婦の手より雜用を取り除き，同時に看護婦自身に看護の業務を正しく自覺させて傷病者に對する凡ての責任を持ちつゝ，之を觀察し看護を爲す。