連載 看護管理者の眼・11
論理的思考で議論する
田中 由紀子
1
1横浜市立市民病院看護部
pp.929
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902289
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私たち看護管理者は,常に難しい課題を抱え,それらを調整しながら,方向性を示し,解決していくということをしています。まず,方向性を示すために,他部門と喧喧諤諤の議論をするのですが,このとき,相手によって,相手のペースに巻き込まれてしまうと,いつの間にか返す言葉がなくなり,くやしい思いと無念さがあとに残ってしまうことがあります。これは一体なぜでしょうか。
ここで,議論のプロセスを点検してみると,医師は論理的にこれでもかこれでもかとたたみかけてきますが,反論するこちら側は情緒的論法の堂堂巡りで,「敵はあっぱれ」とひいてしまうことがあるのです。ふだん,私たち看護職の会議では,情緒的に話すことが多く,論点を整理しないまま,議論することが多いように感じます。ですから,同じ調子で,他部門と議論しようものなら,このような結果を招いてしまうのではないでしょうか。しかし,これで引き下がっていては看護管理者として名折れというもの,お互いに納得する解決策を導くまで,やはり互角に議論しなければなりません。
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