連載 Welcome to the 婦長’s Theater・2
婦長のパフォーマンス水準/しんまい婦長のドタバタ日記
加藤 光寳
1
1新潟県立看護短期大学
pp.930-931
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902290
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第1幕 人を動かそう
管理という仕事の基礎は,「人を動かす」ことです。何でも自分でしてしまうのでなく,他者を動かす影響力を身につけたいものです。よく目にするのは,働き蜂のように自ら率先して,くるくると動く婦長さんです。これでは,「私は働いているのよ」とメッセージしているだけです。たしかに,スタッフの嫌がる仕事を全てこなしてしまえば,一時的には「いい婦長さん」と話われ,その場はそれで問題解決するでしょう。現場は忙しいので,多くのスタッフは,そんな婦長をよしとしがちです。
しかし,婦長には,マックレガンのいう「社会化されたパワー」が欲しいのです。つまり,個人的なパワーでなく,利他的,そして抑制や自己統制の効いたパワーの発揮が望まれるのです。自分がした方が効率的だし,いいケアができる場面はごろごろしています。だからといって,おいしい場面だけつまみ食いして「私ってデキル~!」と自己満足し,スタッフナースと競い合っているようでは,まだまだ婦長とはいえません。おいしそうな場面こそ,スタッフの出番なのです。婦長は,黒子に徹してこそ婦長なのです。「ソンナ人ニ私ハ成リタイ」と思えればしめたものです。
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