特集 看護とセクシュアリティ
性の看護の意識と臨床での実情
渡辺 純一
1
1自治医科大学附属病院看護部
pp.298-302
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902203
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はじめに
看護におけるセクシュアリティという視点は,1990(平成2)年度からの新カリキュラムで正式に取り上げられるようになったことを契機に台頭してきた.それまで病人として抑圧されてきた患者自身の性を尊重し,その問題解決のために,看護職として対応していくようになった.そのことは,看護職自体が専門職として成長してきた流れの1つでもある.
しかし,病院内における性の看護は,看護職間でのコンセンサスが得られていないことから,実際に行なうことは難しい現状にある.また,看護職は女性,さらに年齢的にも若い人が多く,そのために同年代の男性入院患者は羞恥心を感じることが多い.また,看護婦側も性に対する知識や認識の不足から,患者の言動に対してどのように考え,行動すればいいのかわからないのが現状ではないだろうか.
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