特集 脳血管障害
高齢脳卒中患者の社会参加への私のくふう
寒冷地での実情
花田 隆
1
1札幌クラーク病院リハビリテーション部
pp.30
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102926
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高齢脳卒中患者の多くは,発症前にすでに内科的基礎疾患を有している可能性が高く,加えて,加齢による身体機能の全般的な低下や既存の身体障害を有している場合も多い.そのため,それがリハビリテーション・プログラム施行時に運動療法を施行する際の質的・量的制限となってしまう.そこで高齢者では,退院に際してある程度の障害が残存し,家庭での家族による介助を要する条件の下で家庭復帰しなければならないケースが珍しくない.
その際,患者本人が高齢であれば,家庭で介護に当たるであろう妻や嫁,娘もそれなりの高齢であるので,体力的にもきつい労作を強いられることになる.特に残存障害が重度の場合には,家族にとっては精神的にも肉体的にもほんとうに重労働となる.高齢化社会の進行が喧伝される中で,このような傾向はますます強まってゆくと予想される.
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