ホスピタルトピックス 給食
病院における栄養指導の実情—わが国における病院の実情入院患者に対して
宮川 哲子
1
1虎の門病院栄養部
pp.93-94
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202875
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基準給食の承認をうけている病院では,医療のサービスと同じように,十分な給食サービスをする。なかでも食事療法によるサービスとして各疾患に対症の食事を考慮し,治療の一環として大いに力を出している。すなわち,多かれ少なかれ入院患者の喫食状況をよく把握し,残食の多い人の場合には,(イ)病気の状態によるか,(ロ)単に患者のわがままで嗜好に合わないためか,この2つについて判断して,主治医およびその病棟の婦長と連絡をして病室訪問をする。その方法は,よく患者から話を聞いてから病気について,それに対しての食事療法について説明し指導することである。そしてできるだけ多く話し合う機会を作ることである。また,気づかない患者でも要望があれば,医師あるいは婦長からの連絡で患者,または家族に,食事療法について,栄養について,また食事の大切さについて話す。特別に食事療法を必要としない患者の室も,折々に訪れ,病院の食事についての批評や希望などを聞くようにして献立作成の一助となしていることは,どの病院でも栄養士の業務としているのである。しかし,こうした心構えが日常の忙しい業務に迫われがちな時には,なおざりにされる。病院給食がよく行なわれているかどうかは,一にこの喫食率,残食をしらべることと栄食指導ならびに病室訪問がよく行なわれているかどうかに関連性があると考える。
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