特集 阪神・淡路大震災が看護に問うもの
危機状況への反応と対処の仕方
荒川 義子
1
1関西学院大学・社会福祉学
pp.230-235
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902192
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はじめに
私の研究テーマは危機理論に基づく危機介入で,特に保健・医療領域で如何に患者・家族の危機的な状況を把握し介入するかということに関心をもち実践してきた.もともと,私自身が危機に陥りやすく,またその立ち直りに時間がかかり,何とか自分でそれを克服したいと思っていた.偶然米国のソーシャルワーク誌で「クライシス・インターベンション(危機介入)」という援助法を知り,それ以来20年近くこのテーマにこだわり続けている.
しかし,それはあくまでもソーシャルワーカー,研究者として一定の距離をもって危機的な状況を客観視できる立場にあったから,その状況を冷静に判断し,適切な介入が可能であった.専門家としての視点でのかかわりであった.
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