講座 公衆衛生従事者のためのソーシャルワークの手引き
—〈その1〉—危機介入(上)
荒川 義子
1
Tomoko ARAKAWA
1
1神戸女学院大学ケースワーク
pp.141-144
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206034
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■医療場面における危機
ソーシャルワーカーをはじめ保健婦,看護婦は,医療および地域のさまざまな生活場面で危機に直面し,あるいは危機状態に陥っている人たちに遭遇する.これらの人たちは一般に,思いがけない疾病や障害のために引き起こされた経済的・社会的および情緒的問題などで危機状態に陥っている.したがって医療従事者は,できるだけ早くその危機を回避するか,またはその状態から脱することができるように,その人たちの当面している問題の解決に助力することが必要である.
医療従事者がこの人たちを援助していく場合にまず理解しなければならないことは,これらの人たちが疾病や障害をどのように受け止め,その疾病や障害を受け入れて再適応していくか,ということである.次に,この再適応過程に応じた援助の方法が決められねばならない.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.