特集 看護体制変革期の課題と取り組み
日本看護政策研究会第2回公開勉強会より
―講演―新看護体系創設の経緯,特徴,影響
野村 陽子
1
1厚生省保険局医療課
pp.94-99
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902168
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新看護体系創設の経緯―基準看護の見直しと付添看護の廃止
新看護体系は,基準看護の見直し,付添看護の廃止という背景から創設されたものである.基準看護の見直しの基本的な考え方は,1993(平成5)年9月24日に出された中医協の基本問題小委員会報告(表1)にあるように,入院サービスの3基準には,基準給食,基準寝具,基準看護があるが,これは1958(昭和33)年に制度化されたもので,30数年を経た今日,これらは,病院のベースになる基準であり,基準給食や基準寝具は,既に90パーセント以上の病院で承認されている.しかし,基準看護だけは半分以上の病院がとれていない状況である.30年以上続いた制度にもかかわらず,看護のみが基準に達しないという状況から,この制度を見直す必要性が出てきている.表1に示した「三基準の検討と見直し」の中で,*印で示した項目が見直すベースとなったものである.また,この小委員会報告は今後の診療報酬の考え方を示しているので,ぜひ全体を読んでいただきたい.また,医療保険制度と老人保険福祉制度改正等の概要は図1をみていただきたい.
次に,付添看護の廃止については,すでに20年以上も前から国会でも議論になっていた問題である.保険外負担が非常に大きく,付添看護をなくすべきという付帯決議も行なわれてきた.
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