特集 産科医療補償制度15年でみえてきたもの―脳性麻痺の原因分析と再発防止策
総論
産科医療補償制度創設の目的と経緯
木下 勝之
1,2
KINOSHITA Katsuyuki
1,2
1成城木下病院
2日本産婦人科医会名誉会長
pp.5-14
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001392
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はじめに
産科医療補償制度は,2009年1月に発足以来,2024年1月で15年を経過することとなり,着実に実績を積み重ねている。その間,2度の制度改革を行い,補償対象者の範囲を拡大するなど,より有用な運用方法の見直しを行った。今日では,補償対象となった脳性麻痺児とその家族はもとより,産科医療機関にとっても,また社会的にも,さらに国際的にも,この産科医療補償制度は,きわめて有用な制度として認知されている。当時,筆者は日本医師会常任理事として本制度設立に直接関与したことから,本制度の必要性が議論された社会的背景,設立の目的,そしてさまざまな困難を乗り越えて発足した経緯を含め記録にとどめておくことを意図して詳述する。
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