特集 看護体制変革期の課題と取り組み
日本看護政策研究会第2回公開勉強会より
―講演―社会保障としての看護の視点から
大山 正夫
1
1国民医療研究所
pp.100-106
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902169
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新看護体系の背景と性格
日本の看護は「保険看護」であること
戦後日本はアメリカによって占領され,それまでの軍国主義的な諸制度が次々と改革された.医療や看護についても例外ではなかった.看護教育についても「医師と看護婦は車の両輪」といった位置づけが強調され,そのレベルアップが図られた.看護界のリーダーたちはこぞってアメリカ留学を果たし,アメリカで開発された看護方法がもてはやされることとなった.しかしアメリカと日本の基本的な相違を理解せずに導入し,理論と現場が乖離している面も否めない.
それは日本の看護が国民皆保険下の「保険看護」であり,アメリカのそれは保険を前提としていないことである.もちろんアメリカにもメディケアや,各種の私的保険があるが,日本のような全国一律で強制力をもつ制度ではない.日本では「保険医療」「保険医」「保険薬剤師」の言葉が定着しているように,看護も「保険看護」「保険看護婦」なのである.
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