特集 ケアの質を支える記録
視聴覚記録を通して看護の継続を図る―ビデオ添書による看護の引き継ぎ
水沢 弘代
1
1札幌麻生脳神経外科病院生活期病棟科
pp.587-590
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902064
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はじめに
看護者は,患者の療養する環境が変わっても,その人が適切な支援を受けられるように,看護の継続を図っていくことが求められる。そのためには,看護者は患者の看護の継続を担う人に,情報をわかりやすく,的確に伝達しなければならない。
情報伝達の手段としては,口頭による引き継ぎのほか,サマリーや看護添書などのように,文章によって伝える方法が一般的である。口頭による伝達方法は,相手に合わせながら,より具体的に,しかも短時間で引き継ぐことが可能であるが,人から人へ引き継がれていくうちに,時間の経過とともに途切れたり,省略されたり,あるいはニュアンスが変わってしまったりするという短所がある。一方,文章による伝達方法は,このような口頭での引き継ぎの短所を補ってくれるが,文章の表現方法や読み手の受け取り方によっては,意図したことが上手く伝わらないことがある。また,看護支援の具体的方法などについては文章だけで伝えることが難しい場合もある。
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