特集1 引き継ぎ時間短縮から労働環境の改善につなげる
引き継ぎ短縮について考えることの意味
嶋森 好子
1
1東京都看護協会
pp.444-445
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102061
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多忙な臨床現場の重要な課題として
24時間継続して看護ケアを提供するために,そのケアをいかに引き継ぐかは看護職にとって重要な課題である。臨床現場では長い間,勤務者が全員集まって,立ったまま引き継ぎを聞くという形式が続けられてきた。新人看護師にとっては,これに慣れるのが最初の課題で,緊張や貧血で倒れる者が出ることもあった。さすがに,今ではこのような形式は少なくなり,椅子に座って対面で引き継ぐ方法や,ケアを行なうグループ同士で引き継ぐ方法,ラウンドしながら引き継ぐ方法など,さまざまな形式が取り入れられてきている。
それでもまだ,長い時間がかかっていて改善できていない医療機関も少なくない。かつてのように1時間も立って行なうということはなくなっているが,朝の引き継ぎを30分で終了したとしても,全員で聞く形式の場合,勤務者が10人いれば,5時間を費やしていることになる。この時間をケアに振り分けられたら,看護職の時間外勤務はかなり少なくなるのではないか。
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