特集 ケアの質を支える記録
記録の電子化が看護に及ぼす影響
坂本 すが
1
,
葛西 圭子
1NTT東日本関東病院看護部
pp.578-586
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902063
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
標準化に耐える看護情報の再構築
IT化と看護
政府が発表した「e-Japan戦略」では,日本全国4万所帯が同時にインターネットに高速接続できるようになると言われている。まさに世界最先端のネットワーク・インフラの構築である。また,最近では,世界初の立体画像(三次元)による手術中継が成功したと報道されている。このように,めまぐるしい速さで我々の周りでIT化は進んでおり,それは,医療の効率化・適正化・標準化にも貢献し始めている。看護においても,電子カルテ導入によって看護業務の効率化が図られ,引き継ぎ時間の短縮が実現され,ある病院では指示漏れなどもほぼ無くなったという。医療職・看護職は,凄まじい勢いのIT化の中で,業務内容だけでなく,業務に対する考え方まで変化せざるをえなくなっている。
昨年,NTT東日本関東病院では「総合医療情報システム」を立ち上げ,看護記録などほとんどの記録や伝票類をペーパーレスで運用している(図1)。本稿では,当院の経験を基に,看護がどのようにIT化の波に臨むか,また標準化に向けて進んで行くためにはどうすれば良いかについて考えてみたい。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.