実践報告
神経難病専門病院における看護カウンセリングの試み
横手 芳惠
1
,
笠井 恭子
,
堀田 和子
2
,
星 恵美子
2
,
柳田 真知子
2
,
佐藤 久美子
3
1札幌医科大学保健医療学部看護学科
2北祐会神経内科病院
3元 北祐会神経内科病院
pp.717-723
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901982
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はじめに
わが国の難病対策は1972(昭和47)年に始まり,「世界に類をみない大きな成果」1)をあげ,治療の進歩とともに,神経難病患者への生活支援も充実してきている2).しかし,病気に苦悩する患者への支援は,物理的条件の整備と異なり,施策は遅れがちで課題も多い.
筆者らは,患者のAさんが「動けなくなってやっと諦めがついた.それまでは,ただ悩み,苦しんだ」と,構音障害による微かな小声で語っていたのを聞いたことがある.神経難病で慢性的に進行する病気を持つ患者の苦悩は,このAさんの言葉に象徴されるように,長い経過とともに存在してきたといえる3).
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