特別座談会
求められる医療者の価値観の変容―患者と医療者の意識のズレはなぜ起こるのか
藤村 正哲
1
,
清水 哲郎
2
,
横尾 京子
3
1大阪府立母子保健総合医療センター新生児科
2東北大学文学部哲学講座
3広島大学医学部保健学科
pp.708-716
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901981
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編集室 今日は一冊の本を通じて今の医療が抱える問題が浮き彫りになるのではないかと考えまして,この座談会を企画しました.『障害をもつ子を産むということ』という本ですが,書名どおり,障害を持ったお子さんをもたれた父母たちの手記です.ご出席いただきましたのは,この本の編集を担当された横尾京子先生,医師の藤村正哲先生,哲学者の清水哲郎先生です.では,よろしくお願いいたします.
藤村 医療というのは,医療技術を行使する側と,その技術を享受する側とにどうしても分かれますが,その両者にいろいろなコミュニケーションのくい違いが発生します.これは日常の人間関係で生じる感情的なものではなく,根本的に医療という技術が,医療供給システムを通して患者さんに適用される段階で生じるものです.
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