新人看護職議員の永田町だより いま,国政の場では―看護職出身の2人の国会議員による活動日記
PKO国会から参議院選挙へ
清水 嘉与子
1,2
1参議院
2自由民主党
pp.326
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901900
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異例の事態が続いた第123国会は,後の世までPKO国会と呼ばれることでしょう.世界の冷戦が終わり,新たな国際秩序を国連を中心に展開しよう,PKO活動にも協力しようというところまでは,この1~2年の激動する世界情勢をみてきた国民の合意を得ることは可能でしょう.問題はPKO活動に自衛隊を送るかどうかの議論です.
国連による国際平和維持活動に協力することは,国際協調のもとに恒久の平和を希求するというわが国の憲法の理念に合致するもので,自衛隊の参加も憲法に抵触するものではないとする自民党・公明党・民社党に対し,自衛隊の存在そのものが違憲なのだから自衛隊がPKO活動に参加することも,海外での突発的な災害発生時の国際緊急援助活動に参加することも認められないという社会党・共産党,さらに自衛隊の存在は違憲ではないが武力行使の恐れがあることに自衛隊が集団で参加することには反対,でも国際緊急援助活動に参加することは構わないという連合参議院,という構図で最後まで対峙したまま採決にもつれこんだのですから決着が着くわけがありません.それにしてもあの牛歩……参議院では初めの採決に11時間半かかり,人道的にも限界だということでトイレ休暇を認めたおかげで,かえって13時間という新記録を樹立.投票も終わらぬうちにトイレや食事に席を立ったり,傍聴の衆議院議員が衛視の制止を無視して拍手をしたり,本当にここが良識の府?と,情けない思いをしました.
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