特集 プリセプター制度成功のために
―新人オリエンテーションとしての―プリセプターシップ再考
上泉 和子
1
1兵庫県立看護大学
pp.530-535
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901730
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はじめに
最近,今年の3月に大学を卒業した学生で,新人看護婦として病院に勤務している1人に会った.「仕事ができなくて落ち込んでいるけれども,プリセプターが細かなところまで教えてくれたり,相談にのってくれたり,励ましてくれたり,いつもそばにいてくれるので,とても心強い」と語っていた.臨床では,新人教育のためにプリセプターシップを導入する施設が多くなっていると聞くが,プリセプターは新人にとってなくてはならない存在になっているようである.
私事ではあるが,大学で4年生の看護管理実習(看護システム論実習:この実習では,学生がプリセプティ,婦長がプリセプターになり,マンツーマンで実習を行なう)にプリセプターシップを導入してきたので,プリセプターシップについては教育方法としてたいへん興味を持っているところである.あちこちでプリセプターシップについて話をしたり,文献を読む機会もあるのだが,そのような中で,どうもプリセプターシップの解釈について若干の混乱があるように感じている.そこで本稿では,私がこれまで感じてきたことをもとに,プリセプターシップの概念についての整理をしたいと思う.
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