調査研究
子どもの入院に母親が付添うことによる家計費への影響
太田 にわ
1
,
草刈 淳子
2
1岡山大学医療技術短期大学部看護学科
2千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.924-929
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901717
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目的
近年,出生率の低下と核家族化により家族成員が減少し,一方では共働き夫婦が増加している.こうした状況は家族成員相互の支援能力にも影響を与えることになる.家族に病人が発生した場合にその影響が如実に現われ,長期化すればより深刻な事態に進展することもある.特に,子どもの入院時に母親が付添う場合,家族機能を維持するために家族以外の人的支援が必要となる.そしてこの場合,病児の姉妹兄弟の養育や家に残された家族の生活が変化することに伴う経済面への影響も現われる.
社会や家族機能の変化の中で,病人家族は経済的にどのような問題を抱えることになるのだろうか.また,医療経済の問題も看護婦として見過ごせないものである.しかし,病人家族の経済に関する研究はこれまでほとんど見当たらない.今回,こうした影響が最も大きく反映されると思われる病児の入院に母親が付添うことによる家計費の増減と,病児および家族の状況との関連について調査を行なったので,その結果を報告する.
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