実践報告
臨床におけるリサーチナース導入への取り組み—ワーキンググループ設立と看護基準作成のプロセス
谷井 真弓
1
,
高坂 久仁子
1
,
久原 みな代
1
,
一色 裕美
1
,
吉井 栄子
1
,
藤原 紀子
2
1東京大学医科学研究所附属病院 看護部
2東京大学医科学研究所附属病院 緩和医療科
pp.1016-1020
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201716
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リサーチナース導入の背景
国内外で臨床研究が推進される中,「臨床研究に参加する患者(以下,研究参加者)のケア」と,「研究の適切な実施」の両方において,臨床スタッフの役割の重要性が増している。研究参加者に最も近い場において,研究に関与している看護師は,諸外国ではリサーチナースと呼ばれ1),米国では2016年に看護師の専門領域の1つに認定された。
国によって働き方や役割の違いはあるものの,国際臨床研究看護学会(IACRN:International Association of Clinical Research Nurses)では,リサーチに関わる看護師の中でも「臨床現場で研究参加者の看護に焦点を置く看護師」をClinical Research Nurses(CRNs)と位置付け2),定義を公表し3),米国看護協会(American Nurses Association:以下,ANA)と共同で看護実践の範囲と基準を出版している4)。現在は,臨床看護師が研究に関わる患者に対し,実際にどのように情報収集・アセスメントを行い,ゴールを設定し,看護計画を立て,実践し,そして評価しているのか,さらなる検討が行われている。
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