焦点 看護実践・理論・研究をつなぐアクションリサーチ
看護におけるアクションリサーチ総説
嶺岸 秀子
1
,
遠藤 恵美子
1
1北里大学看護学部
pp.451-463
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900640
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
アクションリサーチ(action research)は,実践と研究と理論に橋を架ける研究方法といわれているが,わが国ではまだ新しい言葉である。『医学用語シソーラス』(医学中央雑誌刊行会,1999)と,『最新看護索引 '99』(日本看護協会編,2001)にはいまだ登録されていない。『学術用語集―心理学編』(文部省・日本心理学会,1986)ではアクションリサーチとそのままカタカナで表記されている。社会学,心理学,教育学関連の辞書のなかの表記も同様であることからみても,日本語訳の難しさがうかがわれるため,本稿でもアクションリサーチという表記を使用していきたい。
アクションリサーチの文献が欧米の看護教育,看護管理,看護実践の各領域で散見されはじめたのは1970年代後半からである。近年その数は増化傾向にあり,『Nursing Standard』,『Journal of Advanced Nursing』などの英国で出版されている看護專門雑誌や,地域や病院での看護実践に焦点をあてた看護専門雑誌に多く掲載されている。わが国の看護学の分野においては最近になって数件が出版されはじめ,ようやく緒に就いたという印象で,これからの発展が期待されている。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.