連載 事例で学ぶ看護管理―組織行動学的視点の活用・11
組織変革を成功させる力・阻む力
稲田 三津子
1
,
東 めぐみ
2
,
林 みよ子
2
,
原 三紀子
2
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字看護大学大学院看護学研究科
pp.164-167
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901582
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,IT革命に代表される急激な環境の変化により,多くの組織がダイナミックに変革しなければならない状況に直面している。病院組織およびその中の看護部門においても,疾病構造の変化や医療技術の急速な進歩,国民医療費の高騰などさまざまな要因から,変革の必要に迫られている。しかし,いったん構築された組織とそのメンバーは,現状を維持する傾向にあり,変化に対しては抵抗することから,これを克服しなければ変革は成功しない。看護管理においても,組織変革について理解を深めることは,環境の変化に適応し,意図的に計画された変革をマネジメントしていく上で重要と言えよう。
今回の目的は,病棟内において従来の個人指導に加えて集団指導という新しい患者指導の方法を導入するという事例を通して,組織変革を実践するための手掛かりを得ることにある。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.