連載 事例で学ぶ看護管理―組織行動学的視点の活用・2
非効率的な病棟会議の運営
稲田 三津子
1
,
前田 久美子
2
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字看護大学大学院看護学研究科修士課程
pp.394-398
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901422
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はじめに・組織行動学とは何か
個人に焦点をあてたり,集団における個人の行動や人間関係について研究する心理学や社会学という学問領域は,すでによく知られている。しかし,組織行動学(Organizational Behavior)は,人間が働くことに焦点をあて,さらには組織という公式の構造をもつ場で人々が働くということを専門的に扱い,そこで示される個人の行動や態度,それに伴う組織の動きについての体系的な学問である。したがって,組織行動学の対象としては,営利を目的とする私企業だけではなく,学校や病院,官庁など多様な組織における個人や集団での行動,組織のシステムがあげられる。
組織行動学の目的は,組織で働く人々の行動について,なぜそれを行なったのか,その理由を説明し,将来起こるであろう出来事を予測し,職務の効率性を高めるために統制することを助けることである。すなわち,組織行動学は,管理者が直面するさまざまな問題について,解決策あるいはそのヒントを与えてくれる。
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