研究報告
救急外来における注射実施状況の把握と注射事故予防対策の効果
井田 まゆみ
1
,
武村 雪絵
2
,
江川 千恵子
1
,
川上 真知子
1
,
島袋 利枝子
1
,
中村 美紀
1
,
藤枝 美子
1
1労働福祉事業団東京労災病院
2東京大学大学院医学系研究科
pp.367-370
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901417
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本研究は,東京都内の一病院の救急外来における注射の実施状況を明らかにして,その結果をもとに注射事故予防対策を立案・実施し,その効果を評価することを目的に実施した。対策実施前は,医師の口頭指示のみで注射を実施していた事例が全体の75.4%,口頭指示を受けた後,注射の準備・実施とも看護職員が行なう事例が23.0%を占めていた。これらを考慮して,書面による指示を医師に依頼するなどの注射事故予防対策を実施し,対策実施後は医師の口頭指示のみで注射を実施する事例は58.7%に,口頭指示を受けた後,注射の準備・実施とも看護職員が行なう事例は12.2%に減少した。それに伴って,使用薬品数と補充薬品数の不一致数が,対策実施前の注射126件中6アンプルから,対策実施後は注射131件中1アンプルに減少した。以上から,本研究で実施した注射事故予防対策は注射薬剤の量や種類の間違いを予防する一定の効果があったといえる。
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