看護婦がホンネで語る医療事故・2
職業意識と事故予防—誤注射事故をめぐって“責任”を考える
西村 浩一
pp.258-263
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906011
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「看護婦2人が有罪
という見出しの記事が,新聞各紙の夕刊の紙面を飾ったのは昨年12月27日のことだった.東京都立広尾病院で1999年2月,血液凝固防止剤(ヘパリン生食)と消毒薬(ヒビテングルコネート)とを間違えて点滴したために患者が死亡するという,医療事故が発生した。この事故にかかわった2人の看護婦が,業務上過失致死罪に問われ,その判決公判が12月27日に東京地裁で開かれたのである.
朝日新聞の報道によれば,消毒薬入りの注射器を用意した看護婦に禁固1年執行猶予3年,注射器の記載を確認せずに消毒薬を点滴器具に注入した別の看護婦に禁固8か月執行猶予3年の判決が,それぞれ言い渡された.なお,警察への事故の届け出を遅らせたとして,医師法の異常死体等届け出義務違反などの罪に問われた岡井清士被告(元院長)と秋山義和被告(元都衛生局病院事業部副参事)は,いずれも起訴事実を否認して公判で争っているという.
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