霞が関だより・18
数字とのなじみ
I K
pp.1524
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908340
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数字にはどうも弱い,なじめないという人が少なくないが,数字ほど仕事のうえでも私生活のうえでも身近で重要な意味をもっているものはないといってよいであろう.病院や診療所の業務内容が過去から現在に至るあいだにどのように変化してきたか,将来どのように変化していくであろうか,また,そのような将来の変化にどう対処していくべきかなど,過去の事実を忠実に教えるとともに,将来の方向づけを示唆してくれるのが「数字」であることは今さら言うまでもあるまい。この種の数字は普通「統計」として使われるがこの意味は,ひとつの範囲に属する個々の現象を集めて数字計算し,その状態を表示することを指すとされている.患者数とか,業務の内容ごとの件数とかが読者にはおなじみのものであると思う.
数字が無味乾燥のもので全く興味がない,どうもとっつきにくいなどという人には,改めて数字のもつ豊富な内容を認識してもらう必要があるが,それには身近な同種の数字を単純でもよいから比較する方法からなじむようにすることをおすすめしたいものである.身近なものの単純比較から始まった知識の積みあげがやがて発展し数字のもつ本来の意味もわかるようになるはずであるからである.
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