連載 ナイチンゲール―在宅医療へのまなざし・2
看護と介護
小川 典子
1
1北里大学看護学部
pp.152-153
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900962
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先日,知り合いの社会学の教員から,「看護の人たちは看護という概念の中にその一部として介護があると思っているが,介護の人たちに言わせると,介護のほうがより広い概念で,介護の中に看護があると考えているので,両者の話がかみ合わないことがある」と話しかけられた.私も看護という広い概念の中に介護があると考えていた1人だったので,少し愕然としてしまった.
そう言われると,介護のほうがより広い概念のような気もしてくる.介護保険制度が提唱されて以降,確かにケアというと介護を意味するのが一般的傾向で,看護はその中でも非常に医療に密着した特殊なケースをいうようになってしまった印象がある.高齢者福祉がクローズアップされる中,"care"がひとり歩きを始め,"nursing"と分離しはじめたのだろうか.
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