連載 ナイチンゲール―在宅医療へのまなざし・4
『看護覚え書』の中心概念は「環境」ではなかった
小川 典子
1
1北里大学看護学部
pp.300-301
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900989
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ナイチンゲールの『看護覚え書』は,看護婦であれば誰もが知っている看護婦のバイブルのような存在であるが,はたして全文を読み込んでいる看護婦はどれくらいいるだろうか,古典となった著作というのは概して,有名なわりに実際に読まれることは少ないものだ.原文となれば,なおさらのことと思う.
ナイチンゲールを評する前に,まずその何たるかを知らなければならないだろう.伝記的な偉人礼讃をするのではなく,よくいわれていることをそのまま信じるのでもなく,数多い彼女の著作に触れることにより,ナイチンゲールの看護思想をじかに探ることができるはずだ.彼女の言葉を現在にそのまま当てはめるのではなく,それを1つの考え方として現在という時点で冷静に評価し,私たちの今を振り返るためのヒントとできるのではないだろうか.
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