術後患者を管理する看護婦の責任―医療（看護）過誤裁判例の考察から

　現場で看護婦はルーチン・ワークに追われ，繁忙さの中でともすれば患者の訴えを聞き過ごし，それがとり返しのつかない事故につながることもある．今回は，そのような術後患者の管理過誤が問われるべき裁判例を前回に続いて紹介し，手術をめぐる患者の看護について，患者が安全に効果的に手術が受けられるようにするため，看護婦にはどのような注意義務が課されているかを考えてみたい．