特集 看護の継続と看護チームの育成―第4回固定チームナーシング(継続受持ち方式)研究集会より
混合病棟化の混乱を乗り切って―大学病院における病棟婦長の役割
南出 成子
1
1京都大学医学部附属病院
pp.102-106
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900765
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はじめに
従来泌尿器科の単科であった当病棟は,1996年度より新設の消化器内科との混合病棟となった.さらに1997年度には,外科も含めた3科混合病棟に変更された(当院および当病棟の概要は表1,当病棟のチーム体制は図).看護婦にとっては,初めて経験する疾患の治療に加えて,関係する医師の増加や事務の繁雑化などの混乱が予想された.婦長としては,7年前から固定チームナーシング(継続受持ち方式)を導入して積み上げてきた看護レベルを低下させずに,この予想された混乱を乗り切るために,何にどう取り組めばよいのか悩んだ.そして,今まで以上にチームリーダーの指導性とメンバーの主体性を高めることが必要であると考えた.
その結果,混乱を抑えられただけでなく,継続受持ち制の強化とチーム活動の活発化が進み,患者と看護婦の双方が満足できる看護が蓄積されてきている.これは受持ち看護婦をチームで支える体制が進んだためであり,多忙になったにもかかわらず看護のレベルアップを図ることができたと評価できる.大学病院のもつ特殊性の中で,看護の役割を果たすために取り組んできたこの間の経過を,病棟婦長の立場から報告したい.
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