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医療費抑制策下でのケアの質の維持向上に対する看護の貢献―米国文献レビュー
叶谷 由佳
1
,
土門 康子
2
,
佐藤 鈴子
3
,
菅田 勝也
3
1東京大学大学院医学系研究科博士課程
2聖路加看護大学大学院看護学研究科修士課程
3東京大学医学部健康科学看護学科
pp.668-675
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900699
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米国ではここ20年ほど,医療費高騰に対処するためにさまざまな方策がとられてきた.中でも,1983年にメディケア(Medicare:高齢者,身体障害者対象の公的医療保険)に導入されたDRGs/PPS(Diagnosis Related Groups/ProspectivePayment System:疾病診断群別予見支払い方式)は,米国の医療システムにおいて,1965年のメディケア発足以来の大きな変革であった.
DRGs/PPSは,類似した臨床像と医療資源利用パターンによって患者を分類し,必要な「モノ」やサービスの予測に基づいて,一定の患者群(診断群)の診療に対しては一定の金額を償還するというシステムである.DRGs/PPSの考え方はメディケア以外の医療保険や保障制度にも拡大,適用されるようになり,各病院は生き残りをかけた工夫を迫られた.具体的にはコストを節減し,かつ質の高いケアを提供することが求められた.
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