特集 病院と「くすり」
米国の薬剤費節減策—MAC制度の現況
海老原 格
1
Toru EBIHARA
1
1環境庁保健調査室
pp.585-588
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208348
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医療費の増大は例外なく世界各国に共通する悩みであり,その抑制をどう図るかが大きな課題になっていると思われる.医療費節減の方策は,①医療を受ける側と②医療を提供する側の二側面から考えられるべきものであるが,現在のところ,①の側面からの方策が主ではなかろうか.現段階における①と②とのバランスを考慮してのことであろう.我が国では毎年1兆円のペースで増大する医療費に対処するため,薬価基準の適正化,医療費通知運動,医療機関の指導の強化といった施策がとられている.
その結果,近年そのペースは落ち着きを見せてきているが,反面薬価基準は毎年のように大幅に改正されてきた.一般に,我が国にとどまらず,1)薬剤は投薬により有形な医療として多くの人が認識できること,2)薬剤費用は医療費の中で比較的大きいこと,などの理由から,医療費節減の第一歩として各国とも薬剤にかかわる費用の節減をまず取り上げるようである.
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