実践報告
離床センサーを用いた高齢痴呆患者の転倒予防の試み
小林 広子
1
,
金山 文子
1
1兵庫県立高齢者脳機能研究センター看護部
pp.452-456
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900657
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はじめに
高齢痴呆患者の転倒による骨折や外傷は,その看護に携わる者にとって,最も避けたいことの1つであり,日夜その予防に腐心している.しかしその予防方法となると,抑制帯の使用に代表されるような患者の人権や安楽を損なうものが少なくなく,苦慮することが多い.
そこで,当センターでは抑制法ではない安全確保の方法を模索する中から離床センサー(センサーマット)を考案,メーカーと共同で商品として開発した.これは,自力歩行の際に転倒の危険が予測される患者が,ベッドから降りる瞬間をキャッチし,その行動に即応した看護介入を行なうことにより転倒を予防するものである.患者の人権や安楽を損なわずに,安全を確保する一方法として効果がみられたので報告する.
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