連載 看護アセスメントの生理学的検証・11
臨床生理機能評価法を用いた文献および研究の妥当性について
工藤 一彦
1,2
1女子栄養大学
2防衛医科大学校
pp.866-872
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900586
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最近,臨床医学では,実証に基づく医学という意味で"evidence-based medicine"というアプローチ法への関心が高まっている1).これは,医師個人の経験に頼ったり,病態生理学から一律的に患者を診断するのではなく,問題点について有用な関連文献を検索し,治療にあたっては臨床試験の結果を導入していく積極的な行動様式,つまり非系統的ではなく系統的に問題を追求していく姿勢である.看護においても,"evidence-based nursing"は同様に重要な価値をもつと思われる.具体的に「実証」を構成するのは,適切な文献検索と有用な研究である.
今回は,文献を読む際にその要点を正確に把握するとともに,正しい批判力をもつためのポイントをあげてみたい.また後半では,看護における生理学的測定研究の問題点について述べる.生理機能評価のもつ多くの特性に注目することは,研究を進めるにあたっても役立つだろう.
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