焦点 研究の基本的諸側面
解説
—研究の批評—研究の妥当性に焦点を当てて
野嶋 佐由美
1
1高知女子大学家政学部看護学科
pp.320-326
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200808
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はじめに
看護学は,看護理論,看護研究,そして看護実践がともに相互に関連しながら,統合されつつ発展していくと指摘されている。野島1)は,わが国の看護研究に関する論文を探索し,大きく3つの領域に分けて,看護研究の動向,看護研究の方法論,看護研究の基礎となる科学論および認識論に分類している。この各々の3領域の分野で論文数も内容も豊かに発展していっている。このように看護研究は,徐々に発展してきてはいるが,看護研究の質を向上させていくことが早急の課題となってきている。すなわち,看護研究を研究として妥当性のあるものに改善していくことが必要である。
この論文は,看護研究の方法論について,看護研究をより妥当性のあるものにする際に,考慮しなければならないことについて論ずる。看護研究の妥当性を理解することは,まずは,建設的な批判的視点で既存のあるいは出版された看護研究を分折でき,研究の改善の示唆を得るのに役立つだろう。さらに,自己の研究計画,研究デザインをより確かなものとして,研究の妥当性を高めるのに役立つだろう。
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