連載 職場の労務管理―管理者に必要な視点・4
看護職のバーンアウト症候群は職業病か
宮﨑 和子
1
1東洋大学大学院法学研究科博士後期課程
pp.859-865
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900585
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前回,使用者の労働者に対する安全配慮義務について解説し,使用者としての中間管理者にも,快適な労働条件や職場環境を整え,健康で文化的な生活を保証するための安全配慮義務ないし健康配慮義務があることを述べた.一方,労働基準法(労基法)をより具体化する形で生まれた労働安全衛生法(安衛法)においては,責任の所在が「使用者」ではなく「事業者」すなわち「その事業を行うもの」となっている.これは,健康配慮義務に対する予防対策等の問題については現場の責任者では負いきれない問題もあるためで,事業者自らの責任をより明確にしたものである.
安全配慮義務の内容についての判例を前回示したが,他の産業における例が多く,あまり明解に伝わらなかったかもしれない.今回は看護職員のバーンアウト(燃えつき)に焦点を絞り,「バーンアウト症候群は職業病か」という検討をしてみたい.
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