連載 調査研究向上のために・13
看護調査研究の実際—尺度の妥当性検討
河口 てる子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.89-93
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900442
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前回は,尺度の信頼性に関してその検討方法を述べたので,今回は妥当性について説明します。尺度の妥当性とは,尺度が測ろうとしている概念をどのくらい適切に測っているか,ということです。しかし,この妥当性の検討というのは,実は尺度自体の妥当性を問うているのではなく,尺度を利用する目的との関係で尺度の妥当性を問うているのであると言われています。つまり,この尺度から出てきたデータをどのように解釈するのかという問いかけをしているのです。
妥当性の評価には,いくつかの方法があります。基準関連妥当性や交差妥当性,構成概念妥当性は,その統計的特性を検討するものであり,表面妥当性や内容妥当性は統計的特性に依拠しない検討方法です。より客観的な検討方法といえば,統計的特性を検討する方法でしょう。
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