特集 管理実践に役立つ研究
看護管理研究は臨床看護の「現実」からスタート
上田 規子
1
1神奈川県立足柄上病院
pp.800-803
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900571
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
9年ぶりに戻った臨床看護の現場は,日々起こるさまざまな現実のできごとに,その場しのぎの問題解決だけではすまされないものを多々含んでいた.しかし,日常の繁雑な業務に追われる中では,「これは何が原因で起こっているのか」「何がこうさせているのか」などと考えてはみるが,それをきっかけに研究に取り組むのは,容易なことではない.
研究方法についての十分な知識がないまま,また多忙な業務の中で十分な時間を割くことができないまま研究に取り組み,その結果を看護実践に生かせたという実感を体験していないこと,さらに看護研究の内容に対する他者からの厳しい評価を受けた体験などが重なり,新たな研究に向かうエネルギーが得られないという現実につながっているとも考えられる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.