連載 ―看護管理者にかかせない―診療報酬の知識・2
診療報酬体系の抜本改革と看護料―8月に出された厚生省案について
野村 陽子
1
1厚生省保険局医療課
pp.766-770
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900565
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医療機関を月2回受診すると,この9月からは患者の自己負担が2倍強になる.そして中小企業の多くが加入している政府管掌健康保険の保険料が引き上げられる.しかし,このように患者負担や保険料を増やしても,1年から2年後にはまた医療財源が赤字になることが推計されており,早急に医療費の支出部分を見直さないと医療保険制度が維持できなくなるといわれる深刻な事態に陥っている.
前回でも触れたように,このような状況を打開するために,厚生省では6月,7月の2か月をかけて医療提供体制,診療報酬体系,薬価基準制度,医療保険制度,高齢者医療制度の見直しについて議論を行なった.これらの抜本的改革案(厚生省案)は7月下旬にまとめられ,8月7日に厚生大臣より与党医療保険制度改革協議会(与党協)へ提出された.与党協はこの案をもとに関係団体等との意見調整を行ない,成案をつくり,その案を受けて次期の通常国会に法案を提出していくことになる.
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