霞ガ関だより
昭和44年度における厚生省予算案の概要
H
pp.85-87
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203600
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昭和44年度予算案は,去る1月7日の第1次内示にはじまって,1週間にわたる財政当局との復活折衝の結果,14日未明の臨時閣議に引き続き,午後3時から行なわれた定例閣議において,最終的に政府原案が決定された.
43年度の予算編成に際しては,財政硬直化打開のあおりをうけて国家予算全体が緊縮ムードの中で編成されたこともあって,国民の福祉向上を願う社会保障政策の進展も一時的にもせよ,停滞を余儀なくされたことは残念なことであった.そこで44年度予算について考えてみるに,財政硬直化是正の第2年度めにあたることや,さらには咋年11月に財政制度審議会が,"財政硬直化の主因は社会保障費の国庫負担が過当なため"など,硬直化の背景となっている制度慣付を本格的に改善するよう大蔵大臣に報告したことなどもあって,社会保障費の増額とりわけ新規施策の実現についてははなはだ憂慮すべき状勢にあった.事実,1月7日の第1次内示においてはそのことを裏書きするがごとく大ナタが振るわれ,新規施策を盛り込んだ事項は軒並みに0査定をうけ,政策の推進に腐心する当局をひとかたならず歎かせたものであった.
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