特集 それぞれのプライマリ・ナーシング―管理者の役割とスタッフの実践
プライマリ・ナーシングの展開―継続を支えるコミュニケーション
秋山 智弥
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学科
pp.736-744
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900559
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はじめに
プライマリ・ナーシングを展開することは必ずしも困難ではない.短期的で不完全なものとはいえ,看護学生の臨床実習における患者との関わり方は,一種のプライマリ・ナーシングである.学生時代の看護体験が印象深く残るのは,単に初々しい経験だったという理由だけではなく,患者との1対1の関わりがそこに存在したこともおおいに関係している.患者といかに関わるかによって,そこで展開される看護の質は変化する.1人の患者に対してプライマリに関わることができれば,たとえ複数の患者であっても同時に関わることができるはずである.看護は技術である.技術は磨かなければならない.
ここでは,筆者が東京大学医学部附属病院整形外科でプライマリ・ナースとして経験した事例を通して,「1対1の患者一看護婦関係」,「他のケア提供者とのコミュニケーション」,「患者/家族の参画」,「24時間のケアの継続」というプライマリ・ナーシングの構成要素に関して,どのような実践を行なったかを紹介する.
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