特集 固定チームナーシング(継続受持ち方式)の展開―固定チームナーシング研究会第2回研究集会より
[ポスターセッション]
5.カンファレンス(申し送りを含む)の改善
門脇 章子
1
,
錦織 美智枝
1
1松江生協病院看護部
pp.104-107
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900444
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はじめに
1989年に患者の立場に立った業務改善の1つとして申し送りの改善に着手し,その手段としてウォーキングカンファレンス(以下W/C)を導入した.6年間の経過では,いったんW/Cを導入しながらも中止した病棟が2/3にもなった.その原因は,申し送りの場が詰所からベッドサイドに変わっただけで,中身は看護婦だけの打ち合わせや業務上の連絡のみだったり,患者との当日の日課や処置の確認だけにとどまってしまい,忙しいのにわざわざ時間をかけてベッドサイドをラウンドしなくてもよいのではないかということだった.
しかし,継続した病棟では,W/Cとは単に申し送りの形態を変えたというものではなく,「患者参加のベッドサイドカンファレンス」であるという認識に至った.そして,患者・家族とチームのその日の日勤看護婦企員とで,ベッドサイドで話し合いをするという取り組みを通して,固定チームの看護メンバー間での患者観の共有ができた.つまり,「今,この患者はこうしたいという願いを持っている」「こんなことで苦痛を感じているのだ」というような,日々変わっていく患者の病態や心の変化のありのままを,皆が一緒に感じ取っていける.また,感じたまま,見たままを出し合うことで,人間観,看護観の学び合いができ,固定チームの1人ひとりの看護婦が成長しているという実感を得ている.
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