実務のポイント 看護
申し送りのポイント
上坂 良子
1
1東海大学附属病院内科
pp.244-245
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206813
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三交替勤務の中で,業務を円滑に進め効果的に看護を行ってゆくためには,どんな看護体制下にあろうともなんらかの方法で,看護活動の概要を伝えるという情報交換が必要不可欠になってくる.観察や判断や行動を間断なく続けてゆく中では,情報を有効に活用してむだを省くことも大いに必要である.情報交換の手段としては,一般的に各勤務の交替時に行う"申し送り"という方法をとっているわけだが,これまた多くの問題がある.この伝えるという行為は私たちにとって大切な技術の一つになるのだが,学ぶ姿勢を持っていないと(申し送りだけに限らず),一般論を知っていても一人一人の患者に置きかえた場合の応用問題が出来ず,そして,そのことが当たり前のように受けとめられがちである.しかし,どんなにうまくいかない人でもベッドサイドからは,いくらでも学ぶ資料は得られるのであって,ちょっと目を向け,「なぜなのだろう」と考えて観察する態度を持つようになると驚くほど成長する.うまく出来なかった結果が問われるのではなく,そこから一つでも多く学びとってゆく過程が大切なのだということを「申し送りのポイント」と併せて考えてみたい.
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