懸賞受賞論文「私たちの安全・安楽の工夫」
―佳作―スピードトラック牽引用具の考案作製
金平 由紀子
1
,
岸本 敦子
1
,
三宅 清美
1
1倉敷中央病院整形外科病棟
pp.796-800
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900421
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工夫の動機
大腿骨頚部骨折患者のほとんどには,手術までの間,患肢短縮の予防,可及的整復,局所の安静の目的で,スピードトラック牽引が行なわれる.これは,スポンジラバーを皮膚にあて,その上に弾性包帯を巻いて,摩擦力によって牽引を行なう方法である.
しかし,この方法には,患者側の問題として,①弾性包帯の締め具合により,皮膚障害,循環障害を起こしやすく,また,ずれやすい,②巻き直すごとに患者の苦痛が大きい,ということがあった.また,看護婦側の問題として,①皮膚の観察やケアが簡単にできない,②巻き直しに時間と人手を要する,③中腰の姿勢で巻き直すため,腰に負担がかかる,などがあった.これらを解決するために,用具の考案,作製に取り組んだ.
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