研究
スピードトラック牽引時の弾力包帯圧迫による足尖の循環動態
萩沢 さつえ
1
,
山口 公代
2
1熊本大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
2元:熊本大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
pp.185-189
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200825
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はじめに
スピードトラック牽引は,扱いが簡便で,人体への侵襲が少なく,骨折時の整復,固定によく用いられる。それに使用される弾力包帯は,重錘のかかっているスポンジテープをずれないように皮膚に保持させる役割をもっている。その際,締めすぎによる循環障害に注意しなければならない。
著者ら1)は,先に,健常者の下肢に弾力包帯を巻いて実際に牽引し,弾力包帯の圧とスポンジテープのずれについて検討した結果,ずれない最低圧は30mmHgであった。また,家兎の下肢に種種の圧を加えて,圧迫直下の大伏在静脈と膝窩静脈の血流量の変化をみたところ,30mmHgまでは,両静脈に著明な血流量減少はみられないが,30mmHg以上では,直線的に減少し,70mmHgでは,大伏在静脈の血流量は測定不能となった。
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