研究・調査・報告
会陰縫合部位の疼痛緩和に対する用具の考案
佐藤 美子
1
,
中村 いう子
1
1国立仙台病院産科
pp.30-34
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204520
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1.はじめに
当院の褥婦には会陰裂傷または会陰切開による創傷が70〜80%にみられ,これに対して従来は産褥3〜5日間位は起座しなかったものだが,最近では悪露の停滞防止と子宮収縮促進の目的から,正常分娩では初・経産婦をとわず8〜12時間後に起座もしくは早期離床をすすめている。その際最も多い障害は縫合部位のひきつれるような感じや疼痛で,特に排便,排尿,授乳時に多く訴える。そのため褥婦は,尿意や便意があってもなるべく我慢したり,あるいは椅子に浅くかけてみたり,授乳も起立したまま行なっていることがある。
これでは褥婦の心身の回復を妨げる結果にもなりかねない。そこで,この会陰縫合部位の苦痛を少しでも緩和させ,早期離床により性器復古の促進を図り,さらに授乳を安楽な姿勢で行なえるようにわれわれは一様のクッションを老案作成し,良い結果を得ているので報告する。
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