論著
訪問看護における在宅療養者・家族の自己決定とその支援
河口 てる子
1
,
伊達 久美子
1
,
秋山 正子
2
,
川越 博美
2
,
寿賀 真弓
2
,
数藤 綾子
2
,
田中 信子
2
,
浜辺 千春
2
,
望月 葉子
2
,
田島 悦子
3
1大阪大学医学部保健学科成人・老人看護学講座
2白十字訪問看護ステーション
3前白十字訪問看護ステーション
pp.268-274
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901643
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在宅看護の特徴
◎在宅看護とは
在宅看護は,大きく分けると2つに分類される.1つは,医師の診断の結果,決定された治療や処置の実施といったいわゆる診療の補助が,看護婦の主な役割である在宅医療であり,もう1つは,高齢者の療養生活の支援を目的とした看護や介護が中心となる場合である.最近では,末期癌などでターミナル期にある患者の医療や看護を行なう在宅末期医療,あるいは在宅ホスピスケア等での在宅看護の実践も積み重ねられているが,看護婦の役割や実践内容には上記のように違いがみられる.
在宅の場では,いうまでもなく療養者とその家族が主役である.療養者・家族と看護婦の関係は施設内看護とは明らかに異なり,訪問看護婦は療養者・家族にとって喜ばれ,望まれる存在でなければ,看護を提供するどころか,家の中にさえ入れてもらえないといった厳しい面をもっている.訪問看護婦は,それらに対応できる知識・技術力と合わせて,複雑な状況にある人間関係の調整,的確な判断,療養者・家族の意思表示を支援するための働きかけなど,高度な看護実践能力が求められている1).
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