特集 元気の出る糖尿病チーム医療—Building and Coordination
Ⅲ元気の出る糖尿病チームのつくり方
医師の立場から
熱意を無駄にしない体制づくり
島 孝佑
1
,
篁 俊成
1
1金沢大学附属病院 内分泌・代謝内科
キーワード:
DPC
,
看護必要度
,
在宅自己注射指導料
Keyword:
DPC
,
看護必要度
,
在宅自己注射指導料
pp.121-123
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200349
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糖尿病チーム医療は看護必要度では評価されない
医療制度の変化に伴い糖尿病などの慢性疾患診療を基幹病院で行うにはさまざまな工夫が必要となる.平成26年診療報酬改定にて,一般病棟7対1入院基本料が見直された.呼吸ケアやモニター管理を必要とする看護必要度(Tips 1)基準該当患者が15%以上であることが,一般病棟7対1入院基本料の算定要件となった1, 2).
これが糖尿病教育入院の支障となる.教育入院には,病棟看護師の指導をはじめとしたチーム医療が不可欠であり,莫大な手間と時間がかかり,専門的な知識や経験が要求される.それにもかかわらず,糖尿病教育入院患者では看護必要度は低く,病院では肩身の狭い思いをすることも少なくない.糖尿病病棟で指導にあたる看護師のモチベーション維持どころか,DPC(Tips 2)病院Ⅱ群のような急性期病院を目指す地域基幹病院では糖尿病教育入院自体の維持すら困難となる.糖尿病診療や患者教育への熱意だけでは,このような状況を打開することは難しく,包摂的な医療制度への理解が必要である.本稿ではチーム医療を行うにあたって医師が知るべき医療制度や整えるべきチームの体制について記載する.
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