特集 緩和ケア病棟における看護管理上の悩み
ホスピスケアのための環境づくり―看護提供方式の変更と教育への取り組み
沖原 由美子
1
1聖隷三方原病院
pp.689-691
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900394
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はじめに
当院がホスピス病棟を開設してから15年が経過する.その歩みの中で私たちは,ホスピスの理念を考え,システムを整え,痛みのコントロールができる環境づくりをしてきた.また,患者のメッセージを受け取る私たちの価値観をつくり,ケアの体制を整え,ケア方法をつくり出してきた.その考え方の基本は,患者の言葉に耳を傾けることであった.この取り組みの中での大きな出来事の1つは,チームナーシングから受持ち制,そしてMPナーシング(マイ・ペイシェント・ナーシング)への看護提供方式の変更だった.また,多くのホスピス病棟勤務希望の看護婦とともにケアにあたってきたが,その看護婦の教育はどのようにすればいいだろうかというところが,まだまとまらないのが,現状である.
今回,看護提供方式に影響を与える要因のデータをまとめた(表1).そして看護提供方式を説明し(表2),その中で婦長,主任が取り組んでいることをあげた.また,教育については,総合病院としての教育の考え方(表3)に基づいたホスピス病棟での教育という視点で整理し,ここ3年間の具体的内容を提示した(表4).また新就職者がプライマリ・ナース(以下,PNs)になるまでのプログラムの中から,ホスピス病棟での目標をまとめた(表5).
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