研究・調査・実践 看護ケアの質の測定用具の開発・2
看護ケアの質を構成する因子の検討
看護QA研究会
pp.274-280
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900182
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(2)排泄(表7,8)
排泄のinputで最も多かったのは,患者,看護婦共に排便の状態(患者16件,看護婦21件),特に「便秘」であった.これに対する具体的なprocessとして両者に共通しているのは,「薬物によるコントロール」(患者12件,看護婦9件)であった.これに比して,排便を促進・調整するような看護行為のprocess,例えば排泄習慣や食事面の工夫指導などは,皆無であった.このことは実際に看護行為として行なわれていないのか,行なわれていても意識化されていないのか,このデータだけでは結論づけられない.ただ,対象者が主として入院中の患者およびその看護婦であることと関連しているのかもしれない.入院という状況による便秘,またそれ故に運動や食事などへの援助には限界があるという問題である.
次に,看護婦の側に最も多く見られた「観察」は,「排泄状態やコントロールの観察」26件,「自己管理の程度の観察」5件と31件を数えるが,患者の方ではそれに該当するものは「排泄を気にかけたり,声をかける」2件のみであり,看護婦の観察は患者に認識されにくいという特性があるようだ.
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